NHKのドキュメンタリー番組「映像の世紀」は間違いなく世界映像資産No.1クラス。特に「第５集”世界は地獄を見た”」は衝撃的です。この映像を見て多くの人は「ナチスは狂気だ！」と感じます。しかし本当の衝撃はそのナチスはワイマール憲法下の民主的な選挙によってドイツ国民が選んだ政党だという現実です。ヒットラーは象徴に過ぎません。戦争の恐怖とは「強い独裁者」ではなく「弱い大衆」が狂気にとり憑かれる怖さです。第一次世界大戦後の経済破綻に喘ぐドイツ国民も例外ではありませんでした。アウシュビッツを調査した連合軍兵士の言葉・・・「ここで起こったことは私にも、他の人達にも起こり得る」。時と場合によっては誰もが被害者にも加害者にもなり得る・・・そんな人間の奥底に潜む魔性の覚醒動画です。サウンドも効果的です。

　陶酔と覚醒。映像の虚像性
これは1827年、J・ニエプスによる世界最初の写真です。ピンホールから差し込む光が平面像として化学的に固定した瞬間です。この光の虚像性・反転性に気づくと写真の見方が変わります。

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