basho katachi jikan gokan
場 所 カタチ 時 間 五 感
かって無心に集めたモノや、たまたま捨てれられることなく生き残ったモノも、長い時間の経過で劣化が進みます。ところがその劣化が熟成感を感じさせる不思議・・・そんな「懐かしい記憶が宿る濃密なカタチ」の図鑑です(画像Clickで拡大)。
 昔の写真  - 時間の熟成 - 写真が貴重だった時代の残像・・・セピア色に変色した昔の銀塩写真が醸し出す濃密な「時間の熟成」。我が「うっとり探偵団」の原点です。変色・退色・劣化現象は銀塩写真の「欠点」と云われましたが、デジタル時代の今では、むしろ「懐かしさ」を感じさせる象徴。その質感を再現するクラフトがTimeartの「レトロフレーム」です。  古い柱時計 - 時間の使者- 昔はどの家にもあった柱時計・・・それは「家の主」のように天空から小さい子供も見下ろして「さあ、早く寝ないと怖いところへ連れて行くぞ!ボ~ン、ボ~ン」と脅すように怖い音をたてていたものです。小学生になると時計も変身して「さあ、そろそろ少年探偵団の出勤ですよ」と妖怪共が跳梁跋扈する闇夜へ誘う「時間の使者」になりました。
 古い手紙と切手  - 異国の断片-空想少年を虜にする外国郵便物。得体の知れない文字や見たこともない切手が遠い異国の断片に見えて子供をうっとりさせます。「切手少年」にとって外国切手は異国への小さな「窓」。精密に描かれた風景や人物を飽きずに眺めていたものです。  古文書  - 時代の官能 -これはイタリアで買った14世紀の古文書・・・味のある手書き文字と虫食い跡が見知らぬ時代へ誘います。写真がない時代の精緻なエッチングで描かれた建物や風景・・・見て、触って、匂いを嗅ぐ。少しだけ500年前にタイムトリップしてうっとりします。
 古い絵葉書  - 儚さの風景- 絵葉書とはその「時代」が自信を持って送り出したメッセージ。しかしその「だった」人も建物も半世紀以上も経過した今ではこの世にはありません。その儚い痕跡こそが脳を「うっとり」させる 古い絵葉書の魅力です。  古いジャケットとポスター 一度は壁に貼りながらいつか剥がすもの、そして二度の貼られることはないもの。それがレコードのジャケットやポスター。「何でこれを貼ったんだっけ?」本人も判っきり憶えていないのは、その時の衝動の結果に違いありません。薄幸の媒体に幸あれ 。
 昔の新聞  - 時代の風景 - 新聞は時代を映す鏡でもあります。「敵空母二隻轟沈」沈んだのは実は日本の空母だった・・・今から見れば嘘八百を書いてある戦前の新聞・・・「モリモリ元気、オバホルモン」なんて得体の知れない戦後の新聞広告・・・そんな空気を追体験できます。  昔の証券・証書 - 切実な紙切れ-これは外国の証券と日本の軍事国債・・・いずれも倒産や敗戦で紙切れになりました。当時の情勢の中で資金調達が出来るかどうかは文字通り死活問題だった筈、その自信と切実感に溢れた精緻で威厳に満ちた図柄が儚さをかきたてます。
昔の雑誌  - 生き延びた消耗紙 - 当時の世相を面白可笑しく描写した雑誌も、生活の消耗品・・・読んだ後は捨てられる運命にあります。稀に残っていて「よくこんな昔の雑誌が残っていたな・・・」大した存在でもないのに運よく生き延びたモノ・・・そこに自分の人生が投影されて脳を粛然とさせます。 古書 - 知性の断片 -本が読む媒体だとすれば古書は味わう媒体・・・高額な骨董品には手が出なくでも、神田の古書店に行けば誰でも買えるのが魅力です。時代のレンジで焼かれた表面、ページを捲るとうっすらと漂う饐えたよう匂い・・・稀に古い切手が挟まって人を幸せにします。
 昔のラジオ - 真空管の官能 -テレビがない時代、ラジオは日常と「外界」を繋ぐ妖しの装置。遠洋漁業基地でもあった港町ではNHK第二の「天気概況」を聞くことが多く、あの独特の話し方が子供をうっとりさせます。真空管ラジオはスイッチを切ってもしばらく音が消えず、まるで生きものでした。図面と格闘しながら3ヶ月かけて組み立てた「5球スーパーヘテロダイン」のスイッチを入れて聞こえてきた異国の放送。あの興奮は今もラジオ少年の濃密な記憶です。  少年探偵団モノ  - 子供の原点-我々「少年探偵団」の原点、必須アイテムでもあります。黄金バット、笛吹童子、月光仮面、怪人二十面相・・・テレビが登場すると怪傑ハリマオや鉄腕アトム・・・紙芝居から始まってラジオ、テレビと時代を駆け抜けていったヒーロは今も記憶の片隅で活躍中です。何か成長が止まっているのでしょうか。
 流木 - 海岸という研磨工場 -浜辺は空想少年にとっては「夢のゴミ捨場」。秘密基地に持ち帰る「宝物」は大抵この浜辺で収穫したものでした。波と浜砂利の「研磨剤」で磨かれた丸いガラス玉や木片。特に流木はどれも爬虫類。今では観葉植物の土台として商業価値が出て簡単には拾えなくなりました。  トランク - 男の夢・人生の象徴 -流れる夜霧の中で列車のデッキから降りる男、暗い埠頭から貨客船に乗り込む男・・・これほどトランクが絵になる状況はありません。「これさえあれば、煩い親と学校から逃げて自由になるのさ」・・・空想少年から映画少年になりかけた頃の男子の夢と重なります。
 ガラクタ - 並べると風景になる - 子供の頃に集めたガラクタは大抵は引き出しの隅とかブリキ箱の中。成長期の子供は興味の対象が次々と変わるので、やがてガラクタ達は忘れ去られる運命にあります。暫く経って見つけると「何でこんなものを集めたのか」・・・かなり経って再会すると「そう言えばこんな時代があったな」・・・時間の熟成です。  レトロフレーム -部屋に飾れる- 狭いけれどちょっとハイカラ・・・そんな部屋には位牌も写真も合いません。これは死んだ「おふくろ」の若い頃の写真。激しい痛みをデジタル修正して、デコパージュ風に仕上げたもの。デジカメ画像もこうすれば時空を超えて「懐かしいカタチ」に。Timearの主力製品です。
 尊厳の芸術-日系人強制収容所が工房-1942年、日系アメリカ人12万人がマンザナール(CA)など全米各地の強制収容所に送られました。バラックの収容住宅、最低限の身の回り品しか許されない厳しい環境の中で、ガラクタや端材から秘かに製作された工芸品や日用品。その展示会の様子です。  犠牲者の靴。ホロコースト記念博物館 ナチス・ドイツのユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)をテーマにした博物館(ワシントンDC)。見学者の誰もが最も衝撃を受ける展示がこの犠牲者の靴の山。他にも人間の油脂から作った石鹸、髪の毛の織物・・・「うっとり」とは間逆の狂気の世界です。