basho katachi jikan gokan
場 所 カタチ 時 間 五 感
現地に出かけて身体ごと濃密な「うっとり」に包まれるのとは別に、見るだけでうっとりする光景があります。優れた写真家や映像作家、映画監督は我々の記憶の奥底に潜む原風景や誰も見たことのない世界を見せて脳細胞を酸素で満たしてくれます。
 視 覚    聴 覚   味 覚   触 覚   嗅 覚 
水平線のある風景眼が疲れたら遠くを見る・・・誰もが知っている療法です。特に水平線の彼方は眼を消失点に誘ってうっとりさせます。■水平線の海岸見渡す限りの高原山頂からの風景どこまでも続く道 郷愁の情景望郷・懐古・追憶・・・それは実体験の記憶を刺戟することではなく脳をうっとりさせる手段にすぎない・・・そんな郷愁の風景です。■昔の田園風景や里山鄙びた漁村昔の温泉街ローカル線
うねりの風景まるで大きな波のように連なる丘・・・「うねり」の風景はどこか「ゆりかご」の原始記憶を刺戟する・・・バイクやスキーのうねりにも関係?■トスカーナ北海道富良野砂漠風が吹き渡る麦畑の丘大海原のうねり 幻想の風景 日常から開放される手っ取り早い方法は非日常的風景を眺める・・・と言うより「幻想的」だと思い込んでいる風景を見ることです。■霧の風景月明りに浮かぶ峰々オーロラがたなびく氷原幻想の薪能
いつか見た風景初めての場所なのにこれは「デジャヴュ」か・・・「断片化・象徴化」する記憶の挙動にすぎないのですが脳は酩酊してうっとりします。■トンネル出口日没後の街並み誰もいない午後の田舎道風にそよぐ大木 壮絶美の風景自然が創りだす壮絶な光景・・・凄まじい噴火で発生する雷光はこの世の終わりを告げるかのよう・・・「安全」な場所から地獄垣間見る「うっとり」です。
悪魔の息吹 - 北九州八幡 - 昭和30年、立ち並ぶ巨大な煙突からき出される煙は当時「産業の息吹」と呼ばれた復興の象徴・・・空想少年にとっては、夜も赤黒い火が立ち昇り、稲妻が光る「工場」は得体の知れない「物質」を作っている場所でした。 幻覚の痕跡 - Sidon -ここは地中海の東端Sidon(レバノン)。かって地中海世界を制したフェニキア人の故郷です。乾いた海風が吹く海岸で世界最古の蒸留酒「アラック」をあおる男達は今も古代地中海を駆け巡る夢を見ています。
幻覚の街並み- Wesselburen北海に面したWesselburen(ドイツ)。昭和20年代の喧騒を極めた港町に住む空想少年が初めて見た外国の絵葉書です。人影がまるでない街並みはこの世の風景とは思えず出した結論は「みんな蒸発したんだ」・・・。 鏡面の風景 水面に反射するもうひとつの風景・・・視神経が一瞬の間酩酊して脳に酸素が行き渡ります。鏡の左右は反転するのにどうして上下は反転しないの?そんな子供の疑問に答える風景です。
ナショナル・ジオグラフィック 世界で最もレベルの高い写真で世界の人文地理を見せてくれるNational Geographic・・・その2012年度の写真コンテストのエントリー集。■National Geographicフォトコンテスト2 透明な生物 太陽系の果てまで人工衛星を飛ばす時代に今だ誰も見たことのない生物がうごめく深海やジャングルの奥地。中でも透明な生物は探偵団の前頭葉を刺戟して止みません。
幻の生物 豊かな自然に恵まれたギリシャ北部の川で彼が出会ったのは、清らかな水にしか生息しない神秘のトンボ・リベルラ かわいい情景 人間の赤ん坊でも子犬や子猫でもその寝姿は見るものを癒します。ふわふわして暖かいものは動物の緊張を弛緩させる作用があるのかも。■七五三の風景ナマハゲに追われて泣く子供動物の子供
引き込まれる視覚 図形の部分を拡大すると、全体と相似するフラクタブル構造・・・見つめれば見つめるほど引き込まれる不思議なうっとりです。 おどろおどろしい浮世絵 幕末文化は一種の世紀末・・・現代の劇画も及ばないその表現と色使いは時代の変わり目で恐れおののきながら好奇心いっぱいの民衆の心理が見事に見て取れます。
錯覚の酩酊 見れば見るほど現実と非現実の区別がつかなくなる・・・人間の知覚の妖しです。我々は自分で思い込んでいるほど現実を認識している訳ではない・・・そんな酩酊美術館です。 サルバドール・ダリの誘惑 シュルレアリスムの天才「ダリ」の騙し絵は、数々の奇行や逸話が知られているダリ自身の内面を表現していると言われる不思議なうっとりです。