原風景「銀河鉄道の夜」 うっとり探偵団「アカデ ミアサロン」 Academia Salon by Uttori Tanteidan
宮沢賢治の童話作品「銀河鉄道の夜」は、孤独な少年ジョバンニが、友人カンパネルラと銀河に沿って北十字から南十字まで銀河鉄道を旅する物語です。夢少女・空想少年の心の原風景です。Wikipediaの説明では・・・父が漁から戻らず朝夕の仕事のせいで遊びにも勉強にも身が入らない少年ジョバンニは、周りから疎外され、あたかも幽霊のような存在。
星祭りの夜、居場所を失い、孤独をかみしめながら登った天気輪の丘で、銀河鉄道に乗り込み、親友カンパネルラと銀河めぐりの旅に出る。二人は旅の中で出会う様々な人の中に次々と生きる意味を発見して行く。旅の終わりにジョバンニはさそりの話に胸を打たれて、カンパネルラに本当の幸いのためにどこまでも一緒に行こうと誓い合うが、カンパネルラは消えてしまう。悲しみのうちに目覚めたジョバンニは、まもなくカンパネルラが命を犠牲にして友達を救った事実を知る。この瞬間、ジョバンニは銀河鉄道の旅が意味することが「みんなの本当の幸いのために尽くすこと」だと悟った。更に父が帰ってくることを知らされ勇気づけられる。こうしてジョバンニは星祭りの夜、幽霊であった自分と決別して、母の元に戻ってゆく・・・
南十字星座には「石炭袋」という「暗黒星雲」があって、
賢治は南北ふたつの石炭袋を冥界と現世を結ぶ通路として作品を構成したとも言われています。南十字の天上に行かなかったカンパネルラの行方については「輪廻した」とか「万物の母の元に帰ったという」など、様々に解釈されていています。そもそもカンパネルラとは誰だったかについても、盛岡高等農林学校在学時から親密な関係を築いた一年後輩にあたる保阪嘉内で、ジョバンニは賢治自身とする解釈もある一方、カンパネルラのモデルは、賢治の死別した妹トシであるとする説もあります。しかし夢少女・空想少年にとって「銀河鉄道の夜」とは、満天の星空を見上げて壮大な宇宙を感じるという最も根源的な空想体験=最初の原風景です。勿論、カンパネルラが夢少女、空想少年がジョバンニです。二人の物語は →
子供の情景「郷愁/追憶」からご覧下さい。