ここは戦前の昭和歌謡です。  戦後歌謡   復興の昭和   北海道   外へ出る    選曲は左上のリストから↑   安寧の部屋 

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躍動感と陶酔感。昭和歌謡の魔性

極東の小さな島国が日清・日露戦争を乗り越えて成し遂げた日本の近代化。しかし自らも「列強」という魔性に取り憑かれた日本の政策は「支配」より「開放」。白人列強にとっては既得権益と植民地を失いかねない深刻な事態です。白人社会を本気で怒らせたら・・・その恐怖を抱えたまま無謀な太平洋戦争に突入。挙句、原爆を落とされて無条件降伏。そして「努力と運」であっという間の復興。そんな日本人を支えたのが昭和歌謡。不安と恐怖をエネルギーに変える不思議な躍動感と陶酔感・・・現代歌謡から失われた魔性の残響です。

 一炊の夢。昭和の情景・昭和の情念文化も音楽も風土の産物です。童謡から戦時歌謡まで昭和の旋律はどこか甘く切ない哀愁が漂います。「夢」という文字に「イ」を添えるだけで「儚い」と読ませる。「夏草や 兵どもが 夢の跡」「特攻」を「清華」と讃える。風土が作り出した日本人の感性には滅びの美学が潜んでいるのかも知れません