台地に立って目線を左からぐるりと回せば、東京湾、浦賀水道、房総半島、真ん中に遥か太平洋、そして右に相模灘や遠く伊豆半島・大島が一望できる・・・ここから不思議が始まります。見晴らしがいいということは、遮るものがないということ・・・・一面の畑には電波塔や送電塔、灯台や風力発電塔が立っているだけです。しかし主要道路134号線しか走らない行楽客は丘陵に密集する住宅や切れ込んだ緑の谷間に気づきません。理由は簡単、沿道の住宅が「そう簡単には見せてやんないぞ」とばかり立ち塞がっているからです。脇道に入らなければこの特異な風景は見れません。勿論、看板も案内標識もなく、それは地元がこの景観を観光資源としてみていないか、「愚衆」の振る舞いを知っているからでしょう。これこそ「うっとり探偵団」の思う壺。誰もいない農道の傍らに邪魔にならないよう赤バイクを止めて、心ゆくまで空いっぱいに繰り広げられる光と雲と風のドラマを堪能する。住んでいる人間だけが味わえる至福です。で画像拡大
三浦半島が「影」に事欠かないのには理由があります。台地が多いということは、そこにある建物や物体は下から見上げる位置にあるので日没で浮かび上がる「影効果」はひと際目立つ訳です。だけでなく、畑の中に旧日本軍の遺構があって、昼間は目立たなくても日没時には異様な形を浮かび上がらせて探偵団を興奮させます。→ 画報トップへ戻る